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空腹で記憶力アップ=ハエで確認、世界初―都医学研 時事通信 1月25日(金)4時11分配信 ショウジョウバエを空腹にさせると、物事を長期間覚えておく「長期記憶」が向上することを、平野恭敬東京都医学総合研究所主任研究員らのチームが突き止めた。25日付の米科学誌サイエンスで発表する。 研究チームによると、空腹と記憶力に関連があることを実験で確認したのは世界で初めて。平野研究員は「ヒトの記憶はより複雑で注意が必要だが、似た仕組みがあるかもしれない」と指摘。記憶力を向上させる薬の開発につながる可能性もあるという。 特定のにおいと電気ショックを同時に与えると、ハエは二つを関連付けて記憶し、においを避けるようになる。ただ、記憶は短期間しか持たず、1日後には忘れることが分かっていた。 研究チームはハエを絶食させて実験。絶食時間が9時間の場合、においを避けたハエは満腹のハエに比べ約1.5倍多くなった。16時間では約2倍に増えたが、絶食が20時間以上になると減り始め、極度の空腹は逆効果になることも分かった。 また研究チームは、空腹時にインスリンが低下すると、記憶に関わるたんぱく質「CRTC」が活性化し、長期記憶が向上するとみられることを突き止めた。 食欲をコントロールする機能は、脳の下部に位置する視床下部に有ります。 空腹中枢は体に食べ物を探せという信号を送り、満腹中枢は食欲をストップさせます。 満腹中枢はエネルギーが枯渇している時以外は、通常最も強い信号を送りますが、信号が衰えてくると逆に空腹中枢が活発になり、空腹信号を送り始めます。 空腹中枢を活発にさせる要因は多々有ります。 それは血糖値であったり、体脂肪であったり、血中のアミノ酸値である他、脳の温度にもよります。 血糖 血糖は、最も素早く又強い信号を体に送ります。 視床下部には血糖値センサーがあり、血中のぶどう糖値が下がると空腹を感じるようになっています。 ぶどう糖は脳や神経機能を正常活動する上で、重要なエネルギー源となっています。 空腹をガマンして活動すると、体がけだるく感じますが、それはぶどう糖が枯渇しているからです。 血糖値が低い時、体は食べ物を渇望するだけでなく、高カロリーの食べ物程おいしく感じるようになる為、高カロリー食を食べる事により、速やかにエネルギーを供給できるのです。 アミノ酸 アミノ酸も空腹と満腹中枢に影響を与えます。 肝臓はアミノ酸をぶどう糖に変換する事が出来ます。 アミノ酸は言わば、タイムリリース(ゆっくり消化される)カプセル入りのぶどう糖のように働きます。 通常食べ物からエネルギーを使い果たすと、血糖値を維持する為にアミノ酸をぶどう糖に変換し、飢えをしのぎます。 ですから、特に朝食にたんぱく質(肉類、魚類、卵、乳製品等)を加えると、空腹感を感じずにより長時間活動できるのです。 脳の温度 脳の温度も食欲をコントロールする上で影響力が有ります。 食べたり、運動したり、熱に晒されたりする等の体温を上げる要因は、満腹中枢を刺激する事になります。 たとえば食物を消化中に放出される熱カロリーは、食べ物の15%を消費すると言われます。 寒いと空腹感をより感じ、熱いと食欲不振になるのは、体温レベルが脳に対する影響によると考えられます。 又エクササイズをすると空腹感を和らげるというのも、体温上昇と関係があるのです。 体脂肪レベル 脂肪も食欲をコントロールします。 体重を急に減らそうと試みると、脂肪細胞から脂肪を急に奪う事となり、体のバランス機能を狂わせます。 脂肪細胞の役割は、脂肪を細胞内に蓄える事なので、急激なダイエットは脂肪細胞を言わば失業させた状態になります。 多くの研究者達は、脂肪細胞が食欲をコントロールする事に興味を示し、研究を続けてきました。 その結果解った事は、太る遺伝子は脂肪細胞内に蓄えられている脂肪の量に反応して食欲や新陳代謝のレベルを操作するという事です。 脂肪細胞は体全体の脂肪次第で、レプティンという物質を分泌します。 レプティンは空腹感を癒し、カロリーの消費を促進します。 レプティンは中枢神経と脂肪細胞の間のメッセンジャーとして体脂肪をコントロールします。 またレプティンはアドレナリンやノラドレナリン等のホルモン分泌を促進する事で、新陳代謝率を上げる事もできます。 これらから肥満になりやすい人は、レプティンの分泌量や脳内のレプティンに反応するセンサーに問題がある可能性があると考えられます。 他の食欲をコントロールする物質として解っているのが、オレキシン(orexin)、コーティゾル(cortisol)、GLP-1、corticotropin-releasing factor、cholecystokinin、somatostatin、ニューロペプタイドY、ペプタイドYY等です。 研究者達は、この中でも特にレプティンとニューロペプタイドYを肥満防止薬として利用する可能性に期待を募らせています。 他の空腹感を起こす要因 満腹と空腹中枢は他にも色々な影響を受けます。 例えばストレッチ・リセプターと言って、胃袋や腸に食べ物が入る事で、伸ばされ反応するものや、胃腸内のエネルギーレベル(GI)、cholecystokinin等のGIホルモンレベル、肝臓内の栄養センサーの反応の他、体内のエネルギーレベルに敏感に反応するインシュリンやグルカゴンや成長ホルモン等の分泌などに対し、満腹感や空腹感が左右されます。 精神的影響 精神的影響が肥満になる多くの原因でも有り、尚且つ最もコントロールしにくい厄介な因子です。 食べ物をドッサリ用意したパーティや、決まった時間に食べる習慣や、心配や失恋などストレスからくる過食症等は、前に述べた肉体的因子に影響されず、独立して食欲を旺盛にします。 今迄何度パーティに出席し、お腹が空いてもいないのに、そこにジャンクフードが有るというだけで食べなきゃ損と感じ、口にした事が有りますか? 又高カロリーな食べ物が、すぐ手近に有るというのも肉体的要因に関係なく食欲を増進させます。 特に脂肪分の高い食べ物は、炭水化物とたんぱく質でできた食事と比べると、なかなか満足感が得られず結果的に沢山のカロリーを食べる事になる為、肥満を促進するのです。 この理由は脂質では満腹中枢が直ぐに反応しないからです。
by comeonin_57
| 2013-01-25 11:17
| 体と心の知識
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