|
人の与えれば与えるほど尊敬や信頼を集め、自分が豊かになっていく タラ・ハント 『ツイッターノミクス』著者 インタビュー 「古い業界でも新しい手法を学べば よりよい明日を生きることができる」 12345オンラインの世界には、貨幣価値で置き換えられる「市場経済」とは異なる「新しい経済」が存在し、いまや現実の世界を動かす影響力を持ち始めている――。そんな新しい変化について指摘し、世界的なベストセラーとなった『ツイッターノミクス』の著者であるタラ・ハントさんに、いまインターネット上で起きていることなどを、じっくり聞いた。「週刊ダイヤモンド」(2010年5月1日・08日合併号)掲載のインタビューを、改めてロングバージョンでお届けする。 (聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁) タラ・ハント tara ‘missrogue’ hunt Rogue Strategies社長/ 『ツイッターノミクス』著者 1973年、カナダ生まれ。現在、北米のインターネット世界で最も影響力のあるブロガーの一人で、SNSやツイッターなどウェブ2.0時代に登場した各種ツールを駆使したマーケティングの第一人者。政府機関から民間企業までの豊富なコンサルティング経験に基づき、今後、企業や個人はオンラインの世界といかに向き合い、どのように活かして“信用”を積み上げるかについて、実践的な考え方を説く。タラ・ハントさんのサイトはこちら Photo by Toshiaki Usami―母親には、現在の仕事をどのように説明していますか? あはは。とてもよい質問ね。 いまでも、母親は、インターネットに基づく私の仕事について、よくわかっていないと思います。 たとえば、私が「本を書いた」と言えば、「娘は本を書いたのだ」と思うし、「あちこちで講演をしている」と言えば、「娘は講演をしているのだ」と納得するみたい。 でも、母親は、フェイスブック(SNSの一種)やツイッター(簡易ブログ)のアカウントを持っていますので、いつでも私の活動を知ることができますし、孫と連絡を取ることもできます。 ―息子さんは、17歳だとお聞きしました。すると、タラさんは、インターネットに明るくないご両親の世代と、ネットに親和性のある息子さんの世代の中間に位置することになる。 そう。両親は、カナダの小さな村で生まれ育ち、いまでも田舎で牛や馬などに囲まれて暮らしています。だから、インターネットの世界を理解するのは難しい。 一方で、私は、非常にユニークなポジションにいると思いますし、(インターネット全体を一つの社会と捉える)「ソーシャルウェブ」がどんどん進化する時代を生きていることは、エキサイティングなことだと考えています。 振り返ってみれば、私が初めてコンピュータに触れたのは、18歳か19歳の頃でした。だけど、17歳の息子にとっては、ソーシャルウェブが「生まれた時からあって当たり前のもの」であり、“水道”のようなものなのです。その変化はとても素晴らしいことだし、私も大いに楽しんでいるわ。 ・・・・・・続きあり 【WEB人】「ツイッターノミクス」著者 タラ・ハントさん(36) 2010.4.29 08:30 ■成功の鍵は「ウッフィー」 ウェブが、世界を変えようとしている。コミュニケーションやビジネスの方法、政府のあり方まで、情報が双方向に送受信されるソーシャル・ネットワークは、あらゆる場面に影響を与えている。「お金があれば影響力を獲得できるとは限らない」。ウェブを利用したマーケティングの第一人者が、この新世界で何が起きているのかを語った。(猪谷千香) ウェブを使って友人や顧客を増やすには、「ウッフィー」が必要。3月に日本でも翻訳された著書「ツイッターノミクス」(文芸春秋)で、不思議な言葉を使った新たなルールを説明する。 ウッフィーとは、SF小説「マジック・キングダムで落ちぶれて」に登場する概念で、その人への評価を意味する。他人から感謝されたり、尊敬されたりすればウッフィーは増え、逆なら減り、作中では貨幣の代わりに使用されている。 現実のソーシャル・ネットワークでもウッフィーが成功の鍵を握るという。 「パーティーに行って、自分のことばかりしゃべっていたら嫌われますよね。でも、人の聞き役になり、他の人々にそれを伝えれば全員から好かれる。これが、ソーシャル・ネットワークの機能です」。ブログやツイッター、SNSなどで、どう振る舞えばよいかを提案する。 お金をつぎ込み、アクセス数やユーザー数を増やせばウッフィーが増えるというわけでもない。「求められるのは深い信頼関係」。顧客サービスの怠りを指摘したブロガーを無視した企業の株価が急落したり、顧客を装ったやらせブログを書かせた企業が糾弾されたりした例が、本書では枚挙される。 従来のビジネスモデルは文字通り崩壊しつつあるが、「どんな変化があるにしても、透明性を持って、コミュニケーションを保つことが大切です」。 1992年ごろ、初めてウェブのコミュニティーに参加した。出産を控えて抱えていた不安が、ウェブでのコミュニケーションで和らいだ。以来、さまざまなソーシャル・ネットワークを体験。書き始めたブログが注目を集め、ツイッターでのフォロワー(登録読者)は現在、3万人以上になる。誠実な人柄で、ウッフィーを体現しながら、新しい世界への期待を発信する。 「ウェブなら、私のアイデアを共有し、皆でふくらませることもできる。ソーシャル・ネットワークには、世界中の人たちと深くかかわり合えるという魅力があるのです」 ◇ 【プロフィル】タラ・ハント カナダ生まれ。ブログやツイッター、フェースブックなどを駆使した広告手法を開発。初の単行本「ツイッターノミクス」では、豊富な事例を紹介しながら、新しいマーケティングを提言している。カナダのモントリオール州政府にウェブを使った参加型自治のアドバイスもしている
by comeonin_57
| 2010-05-04 15:31
| 生きる
|
Trackback
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||